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TOP >ER流体・MR流体の基礎・応用研究 更新日:2001年11月17日

 鉄やコンクリートなどのように,通常は材料の特性は一定です.しかし,ある種の材料は外部から何かしらの変化を与えることによって特性を大きく変化させることができ,その機能を工学的に応用することが可能です.このような材料は機能性材料と呼ばれています.
 ER流体,MR流体は機能性材料の一つです.ER(Electrorheological)流体は外部から電場を与えることによって,MR(Magnetorheological)流体は磁場によってその粘性が大きく変化します.Fig.1に示すように,ER流体,MR流体は,液体中に直径数ミクロンの固体微粒子が分散した流体です.外部場を与えない場合には粒子が液体中に均一に分散していますが,外部場を与えると粒子が電場方向に鎖状につながって極板間を拘束します.このときの状態はまるで固体のようであり,せん断を与えて極板を移動しようとするとこの粒子の鎖が抵抗となって電場がないときに比べ粘性が大きく変化します.しかもこの粘性変化は可逆的であり,また外部場を与えてから粘性が変化するまでに要する応答時間も数ミリ秒です.

Schematice view of ER fluid
Fig.1 Schematic view of ER fluid

 では,なぜこのような現象が起こるのでしょうか?ER流体を例に説明します.ER流体のモデルとして,絶縁性の液体中に誘電体の球状粒子が分散されている流体を考えます.外部から電場を与えると粒子が誘電分極し,粒子間に電気的な力が作用します.セルラオートマトンという手法を用いて,この場合のシミュレーションを行った結果がFig.2です.Fig.3のER流体の顕微鏡写真と比較すると非常によく一致しています.今のところ得られている計算結果では,シミュレーションでのER流体が示すせん断抵抗は実験値より小さいのですが,このモデルはER流体の定性的特徴をよく捕らえています.

Simulation result Experiment result
Fig.2 Simulation result Fig.3 Experiment result

 ER流体・MR流体の特長を工学的に応用して,クラッチ,ブレーキ,アクチュエータなどが開発されています.本研究ではFig.4に示すように,MR流体を用いて減衰力を制御することができるダンパを開発しました.このダンパの特長は,MR流体自体の粘性変化を利用して減衰力を変化させるのでサーボバルブのような複雑な機構を必要としない,外部制御信号によってダンパのコイルに流す電流を変化させることで直接的に減衰力を制御することができる,などです.このダンパの特性をFig.5に示します.コイルに流す電流を変化させることで,電流を流さない場合の6倍程度まで減衰力を変化させることができます.

Schematice view of MR damper Property of MR damper
Fig.4 Schematic view of MR damper Fig.5 Property of MR damper

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